NPO法人　わかやま市民自治ネットワーク　ブログ

　今回の未成年”模擬”衆議院選挙2009では、自治ネット独自の取り組みとして、ＪＲ和歌山駅頭およびきのくに子どもＮＰＯで参加してもらった未来の有権者全員に成人年齢引き下げに関するアンケートを行った。
　これまで報道各社が行ってきた世論調査の対象は、対象者が20歳以上に対して行われてきたものがほとんどであり、直接未成年者に対しての世論調査はあまりなかった。本来の直接の対象者であるにもかかわらず、なぜ世論調査がないのか。この問題に対して、自治ネット独自でアンケートを行った。

　質問文は
　『成人年齢引き下げの議論が最近行われるようになりましたが、あなたの意見をお聞かせください。』
　で、これに対する回答の選択肢は

　「成人年齢引き下げに賛成」

　「選挙権など一部の引き下げに賛成」

　「現状維持」

　　の3択。そして、それぞれ理由も尋ねた。
　　299人に質問し、その結果は

　引き下げ賛成　　　　　　　　64人（21.4％）
　一部引き下げ賛成　　　　　33人（11.0％）
　現状維持　　　　　　　　　　116人（38.8％）
　空白（分からないなど）　　　86人（28.8％）

　それぞれの主な理由として
　「引き下げ賛成派」
・早く大人になりたいから（12歳・女）　　・早くお酒を飲みたい（17歳・女）
・選挙にもっと関わりたいから（17歳・男）
・高校卒業したらそれなりの能力があるので、18歳からでもいいと思います（16歳・女）
・私たちも18から働けるので、社会の活動に参加したい（17歳・女）
・早い年齢から責任がもてるので、少年犯罪が減ると思うから（14歳・女）
・自分がもう子ども扱いされたらいやだから（15歳・男）
・自分も早く選挙などに参加したいから（17歳・女）
・政治について考えている人は意外と未成年の人たちも多いから（年齢・性別不明）
・多くの意見を取り入れるほうがよいと思うから（17歳・女）

「一部引き下げ賛成派｣
大人の中には選挙に行かない人がいるので、中高生の人たちにも選挙権は与えてもいいと思う（15歳・男）
・成人年齢を完全に引き下げると混乱に陥り、そのままだと大学生で成人と未成年がわかれ、区切りが悪いから（14歳・男）
・全てを引き下げると大人を学ぶ機会が減るから（15歳・男）
・選挙は私でも考えられるので引き下げてもいいと思うから（14歳・女）
・大人として自覚する人だけでいいと思う（13歳・男）
・タバコとお酒は20歳からだと思うけど（12歳・女）

「現状維持派」
・今の子は自立できない部分もあるから（19歳・女）
・大人はやっぱり20歳（16歳・男）
・お酒とタバコも20歳だから、大人になったしるしで20歳でいいと思う（11歳・女）
・若い人には政治がちゃんと分からんから（16歳・男）
・引き下げるともっと年下の人が喫煙すると思うから（14歳・女）
・情報の扱いはなれているとは思えないから（17歳・男）
・未成年に政治は早すぎる（18歳・男）
・学校が忙しいから（14歳・女）
・一部にきちんと意思を持たず、報道だけで決めてしまう若者がいるから（15歳・男）
・このままでいい（14歳・男）
・高校を卒業したばかりでは、まだ「大人」という自覚がもてないから（18歳・女）

　この問題は、世界では成人年齢・選挙権年齢が18歳からが主流であり、日本のように20歳以上というのが非主流はであるということからはじまっている。その後、憲法改正に関する国民投票法では、投票権年齢が18歳からと規定したことで、現在の公職選挙法で定める20歳以上との差が発生した。
　また、民主党が05年総選挙時のマニフェストで選挙権年齢引き下げを唱え、選挙を管轄する原口総務大臣や鳩山総理大臣もこのテーマで積極的なコメントを発表している。
（05年のマニフェストはコチラの31ページにあり）
（原口総務大臣のコメントはコチラで、鳩山総理大臣のコメントはコチラ）
　ただ、同じ鳩山内閣でも法制度を管轄する千葉法務大臣は慎重派である。
　このテーマは、これから注目されるテーマであり、だからこそ、模擬選挙はただ単に選挙を茶化してるものではなく、重要なアイテムとして考えてるのである。